白無垢の歴史〜今と昔の違い〜
和婚での一般的な婚礼衣装として、まず頭に浮かぶのは「白無垢」ですよね。
伝統的と言われますが、どのような歴史を経てきたかご存知ですか?
今日は白無垢の歴史についてご紹介致します。
1.現代の白無垢の意味合い
厳粛な神前式や仏前式で身にまとうことの多い白無垢。
白は太陽の光の色で神聖な色とされており、巫女さんも白の装束を着ています。
真っ白な白無垢は純潔の色として、“嫁ぎ先の相手の家の色に染まる”という意味を持ちます。
2.昔の白無垢の意味合い
室町時代に様々な儀式を持ったものとして婚礼は成立し、婚礼衣装についても同時に定められました。
江戸時代になると武家社会で行われていた婚礼儀式は町人層まで浸透しました。
このとき白無垢が着られていたので、白無垢が婚礼衣装として根付きました。
『貞丈雑記』では、「婚礼に白を用いるのは、婚礼は人倫の大本であり、白色は五色の大本」と記されています。
白無垢を着て、綿帽子をかぶり、その下には角隠しがあります。
角は鬼の象徴で、あの世のものとされており、それを綿帽子で隠していました。
その後お色直しで角隠しがとれると、鬼ではなくなり生まれ変わったということを表します。
“新しく生まれ変わり嫁ぎ先で生きていく”という意味があるのです。
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3.お色直しまでが厳粛な式
室町時代の婚礼のとき、新婦は白無垢を着て二日間過ごし、
今の時代の三三九度の杯のような儀式を終えた三日目に
綿帽子をとってお色直しをするという流れが一般的でした。
江戸時代になると簡略化され、式当日にお色直しが行われるようになりました。
色打掛の赤色は、生まれ変わった赤ちゃんや血液を表し、
赤を身につけることで、甦るとされています。
昔はこういった意味合いから白無垢から赤の色打掛へのお色直しが一般的でした。
現在では、赤色の打掛を一着目として着ることもありますし、
色打掛の色も赤に限らずたくさんのお色味がございます。
意味を知ったうえで試着をすると、またいつもと違った目線からお衣裳選びが出来そうですね!
昔の人は、【嫁ぐこと=新しく生まれ変わる】という覚悟をもって、結婚式を挙げていました。
結婚式の形態は変わっていっても、伝統的な花嫁衣装は変わることがないですね。
せっかくの結婚式。このような意味合いを知ったうえでぜひ白無垢を着てみるのはいかがですか?