実用性とデザイン性が伴った和装の知恵*着物の袘(ふき)
着物の袘(ふき)・・なかなか聞き慣れない言葉かもしれません。
ですが、ふきは花嫁衣装には無くてはならない存在で、すでにご試着されている方は自然と目に入っているかと思います。
今回は、着物のふきについてご紹介したいと思います。
着物の袘(ふき)とは?
着物の袖口や裾など、裏地を表に折り返して表から見えるように仕立てた部分を指します。
もともとは、擦れやすい表地の傷みや汚れを防ぐために付けられたとか。
ふきに綿をいれて厚みを出す「ふき綿」は江戸時代の武家や裕福な商家の女性に好まれ、
現代の花嫁衣装にも残っている形です。
ふき綿は、少し重みがあることで、歩きやすさや裾さばきの良さ、着物の生地をきれいに見せる効果があります。
また、デザイン的にも色のアクセントとなり、着物全体に重厚感を与えます。
▲袖口
▲裾
着物ごとのふきをご紹介!
白無垢のふき
白無垢のふきは、表地の白に合わせて白が一般的です。
ふきがあることで裾がストンと落ち、絹のふんわりとした光沢感がより映えて見えます。
色打掛のふき
色打掛のふきには朱赤を使われることが多いですが、デザインによっては差し色として、
アクセントカラーを取り入れている打掛もあります。
ふきがあることで、より引き締まった印象になったり、重厚感のある華やかな雰囲気になりますね。
引振袖のふき
引振袖のふきは、白無垢や色打掛のふきよりも薄く、朱赤や表地と同じ色味が使われる場合が多いです。
また、表地のふきの内側には比翼のふきが重なり、この2つのふきの色味が楽しめるのは引振袖のみですので、
引振袖の二重のふきは、引振袖を着る醍醐味の一つとも言えます♪
いかがでしたか。
実用性にもデザイン性にも優れているふき。
花嫁衣装だけではなく、留袖や訪問着でも5ミリ以下と小さいふきですが見られる技法です。
ぜひ、和装をご試着される際はふきにも目を向けて、色味や重みを感じていただければと思います。
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