留袖の柄が意味するものとは?
女性が着用する着物の中でも最も格が高いとされるのが「留袖」です。
主に結婚式に出席する親族が着用し、地色が黒の留袖を「黒留袖」、地色が黒以外のものを「色留袖」と呼びます。
留袖には様々な柄がありますが、実はこの柄がおめでたい意味を持っているというのはご存知ですか?
今回はそんな留袖の柄が意味するものについて解説致します!
✻留袖とは
黒留袖
既婚女性の第一礼装の着物で、主に結婚式や披露宴の際に、新郎・新婦の母親をはじめ
祖母や叔母、姉妹など主役に近い関係の方が着るのが一般的です。
生地には濱縮緬や丹後縮緬などの地模様のない縮緬を用い、裾に模様が入れられ五つ紋が入っている着物です。
色留袖
地色が黒以外のものを「色留袖」と呼びます。
既婚女性や振袖を卒業した未婚女性の礼装・準礼装用のお着物で、
結婚式や披露宴に出席する親族女性の礼装用としてだけではなく、華やかなパーティーなどにも着用できます。
一般的に三つ紋を入れ、準礼装として扱うケースが多いようです。
✻柄の意味
留袖の裾の部分にはたくさんの華やかな柄が描かれていますよね。
柄はおめでたい席にふさわしいように、染め、箔、刺繍を用いて、
「よい前兆」という意味合いのある吉祥柄、
平安貴族の装飾品にも使われていた有職文様、
格調高い正倉院文様など、華やかで品格を感じさせる柄や縁起の良いモチーフが描かれています。
そんな柄の中でもよく使われる柄を意味ごとにまとめてみました。
①不老長寿
鶴亀、桃、菊
②子孫繁栄
葡萄、瓜、唐子
③夫婦円満
鴛鴦、相生の松、貝
④栄華
七宝、宝船、扇
⑤昇進
琵琶、藤、鯉、鶏
⑥成長祈願
桐、麻、竹
どれも縁起の良いイメージばかりですね!
見た目以外にも込められた意味を考えて柄を選んでみてもいいかもしれませんね。
✻柄の選び方
留袖の柄にこれでなければいけないという決まりはありません。
しかし、マナーとして年齢や続柄によって立場にふさわしい柄を選ぶ必要があります。
年齢
①年配の方の場合
黒留袖は一般に、裾模様の面積が大きいほど若向きとされ、
面積が小さく模様の位置が低くいほど年配者向けのデザインとされています。
裾の方にすっきりとした柄が入っているものが、年齢相応の上品な落ち着きを感じさせます。
②若い方の場合
裾模様が大きく、膝上まで美しい色や大きめの柄が配されたデザインは、
華やかさやかわいらしさを感じさせます。
橘・桜・牡丹などの淡い色の花々の柄などは、より一層かわいらしい雰囲気になるでしょう。
いかがでしたか?
留袖の柄に決まりはありませんが、年齢や立場に応じた柄を選ぶと良いですね。
大切な方のせっかくの晴れの日ですので、
こだわりをもって留袖を選んでみてはいかがでしょうか。